東洋医学の基礎知識①でお話しした、「陰陽論」が宇宙の法則の根本を語ったものであるならば、「五行論」はさらに細かい動的な法則を記した理論です。
五行論では、地球上すべてのものを
木、火、土、金、水
の五つに分類し、それらの相互関係からすべての変化を説明しています。
もくじ
五要素の特徴をつかもう!
では次に五行論で用いる五種の要素の特徴を見ていきましょう。
難しいことは無し!大まかなイメージで行きます!
木:のびのび🎵→木が成長するイメージ
火:燃える~🔥→炎が燃え上がるイメージ
土:受け入れる、育てる☻→種まきと、収穫のイメージ
金:きれいにする🌟→斧で切るイメージ
水:潤す💧→水が流れるイメージ
ざっくりこんな感じです。あとは、この5つのエレメントのイメージ通りに考えてもらえればだいたい特徴はつかめます。
例えば、
火の特性なら→温熱、上昇、明瞭
水の特性なら→寒冷、滋潤、下方へ向かう
という風にイメージを広げて考えるとわかりやすいと思います。
五要素の関係性を理解しよう!
中医学では、動的平衡という概念がよく出てきます。
これは、それぞれが影響し合い、動きつつもバランスをとっているという意味で、もちろん、五行論にもこの思想が大きくかかわっています。
バランスをとるとは、要するにお互いを「促進」、「抑制」し合っているということです。
中医学では、促進=相生(そうせい)、抑制=相克(そうこく)と呼んでいます。
では、どんな風にバランスが保たれているか、実際に見ていきましょう!
五行の相生関係
相生は、このように矢印の順で生み出されていく(滋養、進行、促進)関係性のことを言います。
なので、『母子関係』と言ったりします。
実際の臨床のケースでも、この考えを当てはめると説明がつくことがあります。
よくあるのが、重度の肝機能障害の動物が、治療の結果、改善してしばらくすると腎機能低下に陥るケースです。
これは、子である木(五臓では肝。五臓についてはまた後程説明します!)を母である水(腎)が長く看病(滋養)していたため、自らが看病疲れで倒れてしまったと考えることができます。
五行の相克関係
相克は、このように矢印の方向に押さえていく(後退、制約、抑制)関係性のことを言います。
そして、これらの関係は一つずつ単一で起きているのではなく、五行の各行間で同時に、そして絶えず動き平常状態を保とうとしています。つまり、抑制があってこそ正常な成長が行われるのです。
以上、今回は生理的な相互関係をお伝えしました。
この五行論を応用して臓腑、経絡、組織などを分類・分析したり、病理的な相互関係を考えていったりして治療につなげていきます。
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