みなさんは、目が覚めた瞬間に脚がつったことはありますか?
本当にパッと目が覚めたと同時に。
もう、それはそれは、息もできないほどの激痛…おかげで一気に目が覚めました。
おそらく、30代以上の方ならお判りいただけると思いますが、年々脚のつり方が尋常じゃなく激痛になっています。
この前行きつけの美容室で、この話をしたら、20代のアシスタントの子には、全く話が通じず、
「えっ、そんなに痛いんですか?」という感じでした。
若いっていいですね。
でも、うちの病院の看護師さんは20代後半でしたが、劇的に脚がつって、肉離れ起こしてましたから、一概に若さで解決できる問題ではないようですね。
「脚がつる」原因は?
急激に起こる筋肉のけいれんを伴う疼痛=脚がつっている状態 です。
では、なぜ筋肉がひきつれるのかというと…ずばり、体の中の陰が足りていないからです!!
どういうことか、説明していきましょう。
①肝陰の不足
まず、慢性の病気で血が消耗したり、女性では生理や貧血など、様々な要因で肝血(陰)が不足します。
身体の中では、陰陽がバランスをとって補い合っています。
よって、身体の血が減る=陰が減る⇒相対的に陽気(肝気)が強くなる
という状態になります。
②脾の働きが悪化
肝気が強くなりすぎると、脾の気の流れに影響してきます。
脾は五臓六腑で消化吸収に関わり、食物から気や水を作り出す役割を担っています。
よって、脾の機能が低下すると、さらに、血が不足してしまうのです!(血は気と水からできるので。)
③筋肉を滋養できない
陰とはそもそも、身体を滋潤してくれるもの。
こうしてどんどん体の陰が不足してくると、筋肉を滋養できない状態に陥ります。
さらに、中医学では「肝=筋(靭帯とかすじに近いイメージ)」「脾=肉(筋肉)」と深く関与しているので、
肝脾の血の不足は、筋肉に直接影響を及ぼしてきます。
また、肝の陽気が強くなることにより、体の中で”風”が発生して動き回り(肝風内動)、それによって、けいれんやしびれが起こりやすくなります。
そして…満を持して、あのふくらはぎの激痛が起こるわけです(;´Д`)
いや~改めて弁証すると、私の場合は、心当たりありありなわけですね。
まず、私は貧血持ちで、その日も若干症状が出てました。
で、夜お風呂入ったあと、ちょっと喉が渇いたな~と思ったんですが、コップ出すのがめんどくさくて水を飲まないで寝たんですよね。
そしたら、翌朝、脚がつって悶絶したという…。
はい、完全に、陰不足!!
めんどくさがらず、コップ出せばよかった…(´・ω・)
こむら返りには芍薬甘草湯
「こむら」とはふくらはぎのことを指すらしいです。
そんな「こむら返り=脚がつる」に効くと言われている漢方があります。
それが芍薬甘草湯です。
前述の肉離れ看護師さんも、病院で処方され、飲んでいました。
芍薬は肝陰を補い、甘草は脾陰を補います。
また、薬膳的に食物を5つの味と性質に分類(酸、苦、甘、辛、鹹)すると、芍薬は酸の性質、甘草は甘の性質があります。
そして、酸と甘を合わせることにより陰を生じる(酸甘化陰)といわれています。
よって、陰血を補う目的で芍薬と甘草を含んでいる漢方が多くあります。
さらに、芍薬や甘草そのものに鎮痙作用があるので、痙攣疼痛を抑える漢方には、この組み合わせが配合されていることが多いです。
一つ注意点が!
芍薬甘草湯は、甘草の量が多めに入っている漢方なので、長期服用では副作用が出る(偽アルドステロン症)場合があります。
なので、必要な時に頓服するの見方が一番おすすめです。
いや~、漢方って本当に面白いですよね。
中医学の理論が詰まっていて、無駄がないと言いますか。
生薬の配合をみて、その働きとバランスを見ると、「考えた人、ほんとにすごすぎる!!」といつも感動してしまいます。
脚がつりやすくて悩んでいる方は、ぜひ芍薬甘草湯を試してみてください♪
コメント